マイオブレース治療とSH療法
お子様によっては、マイオブレース治療後にSH療法をすることもあります。
矯正治療は大きく1期と2期に分けられ、マイオブレース治療は1期治療に属します。
1期治療とは、4~9歳(乳歯の時期~乳歯と永久歯が混在している時期)ぐらいから始める子どもの矯正治療です。ケースによっては、マイオブレース治療で1期治療を行い、そのあとの治療として床矯正(取り外しの出来る抜歯もなく、痛みも少ない矯正)を行うこともあります。
また、すべて永久歯に生えかわっている12~13歳以上は、骨が固いので取り外し可能なマイオブレース治療はできず、基本的に本格矯正の治療を行うこともあります。
[パターン1] マイオブレース治療のみ
STEP1
相談
STEP2
資料採取
STEP3
診断
STEP4
一期治療
マイオブレース治療
4~9歳ごろから始めます
STEP5
終了
※マイオブレースは数回作り直す事があります
[パターン2] マイオブレース治療後にSH療法
STEP1
相談
STEP2
資料採取
STEP3
診断
STEP4
一期治療
マイオブレース治療
3~10歳ごろから、部分的な固定式装置による治療を始めます
STEP5
終了
[パターン3] SH療法のみ
STEP1
相談
STEP2
資料採取
STEP3
診断
STEP4
二期治療
床矯正治療
8歳ごろから治療を始めます
STEP5
終了
※ここで紹介したものは主なパターンです。お子様の状態によっては、これ以外の治療の流れも考えられます。
[パターン4] ムーシールドのみ
STEP1
相談
STEP2
資料採取
STEP3
診断
STEP4
一期治療
STEP5
終了
マイオブレース装置の治療方法
マイオブレース装置による治療は、起きている間最低1時間と寝ているときにつけて生活するだけです。
マイオブレース装置を使用するのは、起きている間最低1時間と、寝ているときだけです。
そのため学校に持って行って紛失するおそれもありません。
使い始めは窮屈感があり、舌にも違和感があります。ただしその違和感は3~4か月でなくなります。つけながら話すこともできるため、ほかの矯正治療にくらべてお子様の負担はかなり軽減できます。
寝る前には歯みがきを!
フッ素の力でさらにむし歯予防もUP!
むし歯になりやすい時期のため、寝る前に装置を外して歯みがきをします。
その際、フッ素入り歯みがき粉を使ってください。
その後にマイオブレース装置をつけて寝れば、フッ素が唾液で流れにくいので、一層、むし歯予防効果が期待できます。
寝るときは、唇を内側に入れ込みテープを貼っていただきます。
テープの種類は、包帯をとめるサージカルテープなどを利用します。
テープの貼り方例
[テープを貼る目的]
1.お口から装置が出ないため
2.装置の効果を高めるため
3.鼻呼吸を促すため
マイオブレース装置の使用にあたってのお願い
- 日中の使用が、とても重要で効果的です。最低1時間使用してください。
- 使用前は、必ず歯みがきをしてください。
- 最初の段階で、お子様によっては特に前歯や前歯の裏にやや痛みを感じることがあります。
その場合、使用時間を減らし、痛みがなくなりましたら、通常の使用時間に戻してください。 - 装置が歯ぐきに当たっていたいなどの症状がありましたら、一旦使用を中止してご連絡ください。
- 使用時はお口を閉じてお鼻で呼吸をしてください。
- 使用していても会話はできますが、それ以外のときはお口を閉じるようにしてください。
- 力を入れて横にずらして咬まないようにしてください。
- 使用中に唾液がたくさん出ます。装置を入れたまま唾液を飲み込む練習をしてください。
- 使用したまま寝てください。
- 装置がお口から出ないために唇にテープを貼って寝てください。
- 装置は来院の際、必ずお持ちください。
ご家庭でのお口のトレーニング
ご家庭では、お口の周囲筋のトレーニングもしていただきます。
お口の中の周囲筋のトレーニングをすることでよりスムーズに歯が移動し、治療期間が短くなることもあります。また後戻りを防ぎます。
ご家庭で行っていただくトレーニングは2つありますが、お子様が簡単に行えるものです。
舌の正しい位置と間違った位置
舌の正しい位置は、上の顎に舌の先がついている状態です。
[トレーニング1]装置をつけて会話、嚥下をする(パフパフ法)
「パフパフ法」と呼びますが、装置をつけて会話したり嚥下したりするだけです。特別に何かしてもらうことはありません。装置をつけることで舌が正しい位置を覚え、正しい嚥下が自動でできるようになります。
また、上顎に舌を押し当てた状態になるため、舌を出しながらサ行、タ行を発音するお子様も、正しい舌の位置で発音できるようになります。
基本的に日中は最低一時間は使用してもらいますが、長くつけられるのであれば、その方がよりトレーニングになります。
ただし、無理は禁物です。
[トレーニング2]あいうべ体操
「あ」「い」「う」「べー(舌を出す)」と強調的にお家を動かしてそれぞれを発音します。これをすることで、お口の周囲筋のトレーニングになり、さらに唾液が多く出て風邪やインフルエンザ予防にもなるといわれています。
詳しくは『あいうべ体操』のページをご覧ください。
おうちの方もお子様と一緒に、あいうべ体操をしてみましょう!
①お口を縦に大きく開ける。
②唇の端を上方、後ろにしっかり引く。
③お口をすぼめる(お口の周りの筋肉にキュッと力を入れる)。
④舌を出せるところまで出す(舌を出して戻ったところが正しい舌の位置です)。
Point
- 声は出しても出さなくてもOK
- 1セット4秒前後のゆっくりとした動作で
- 1日30セット(3分間)を目標にスタート
- あごに痛みのある場合は、「い~う~」でもOK